光源氏の夢に出て来て夕顔を脅かした女は、六条御息所であると作中に書かれている。しかし、これは六条御息所に対して気が咎めていた源氏が見た幻であり、実際にはなにがしの院に住み着く怨霊が夕顔を襲ったと仄めかされている。

光源氏の夢に出て来て夕顔を脅かした女が誰なのかは、作中にははっきり書かれていない。しかし、直前に源氏が六条御息所のことを考える場面があることから、この女は六条御息所であると仄めかされているとする説が有力である。

光源氏の夢に出て来て夕顔を脅かした女が誰なのかは、作中にははっきり書かれていない。しかし、直前に六条御息所のことを考えていた源氏自身は、この女が六条御息所であると信じ込んでいると仄めかされている。

光源氏の夢に出て来て夕顔を脅かした女を、源氏自身は六条御息所の生霊だと考えている。しかし、なにがしの院は怪異が頻発する場所として有名であることから、なにがしの院に住み着く怨霊が夕顔を死に追いやったとする説が有力である。

源融の別荘であった河原院は、「夕顔」巻に書かれる「なにがしの院」と同じく様々な怪異現象が起る場所であり、恨みを抱いて亡くなった融自身の霊も出ると噂されたことから、徐々に「なにがしの院」と同一視されるようになっていった。

「なにがしの院」は、源融の別荘である河原院のことであるが、「夕顔」巻では名前をぼかして書かれていると考えられる。『今昔物語集』をはじめとする様々な資料に、この「なにがしの院」で起きた怪異現象が記録されている。

源融の別荘であった河原院は、「夕顔」巻に書かれる「なにがしの院」をモデルにして建設された。ところが融が恨みを抱いて亡くなり、怨霊になったと噂されたことから、「なにがしの院」と同様の怪異現象が起る場所になってしまった。

「なにがしの院」は、源融の別荘である河原院をモデルにして書かれたと考えられる。河原院は京都六条大路にあったが、融の死後に荒廃し、『今昔物語集』をはじめとする様々な資料には、そこで起きた怪異現象が記されている。

光源氏が乳母の見舞いに行った際に知り合った。源氏を独占したいと渇望しながらも、年上である引け目や、身分が低いという遠慮から、源氏に素直な態度を見せることができなかった。

もとは光源氏の親友である頭中将の恋人であったが、二十歳の時に死別する。大臣の娘という高い身分で美しく気品があるが矜持が高く、源氏は持て余し気味であった。

夕顔の花咲く家で光源氏と出会い、夕顔を詠んだ和歌を源氏に贈ったことから「夕顔」と呼ばれる。おっとりした優しい性格で、低い身分ながらも源氏に愛された。

大臣の娘という高い身分に生まれ、かつては光源氏の親友である頭中将の恋人であったが、頭中将の正妻の脅迫によって別れたのちは、人目を避けて夕顔の花咲く粗末な家に住んでいる。

この巻には、巻名だけがあって本文が存在しない。「雲隠」とは、もとは月が雲に隠れることを意味し、転じて貴人の出家を暗示する。光源氏が晩年に出家したことを意味するが、その様子を描写することなく、読者の想像にゆだねている。

この巻には、巻名だけがあって本文が存在しない。「雲隠」とは、もとは月が雲に隠れることを意味し、転じて月が欠けても再び満ちるように、物事が再生することを暗示する。物語の主人公が次の世代に交代することを、巻名によって読者に知らせている。

この巻には、巻名だけがあって本文が存在しない。「雲隠」とは、もとは月が雲に隠れることを意味し、転じて貴人の死を暗示する。光源氏の死の様子を描写せず、巻名によって源氏が亡くなったことを読者に知らせている。

この巻には、巻名だけがあって本文が存在しない。「雲隠」とは、もとは月が雲に隠れることを意味し、転じて月が雲に隠れるように人が姿を隠すことを暗示する。光源氏の失踪によって物語が終わり、主人公が交代することを読者に示している。

その巻の中で詠まれている和歌の中の印象的な言葉に由来するものが多く、その場合の巻名のもととなった和歌を巻名歌と言う。巻の中で用いられる印象的な言葉に由来するもの、巻の中で描かれる出来事に由来するもの、その他例外もある。

その巻に登場する女性の名前に由来するものが最も多い。その場合、巻名のもととなった女性がその巻のヒロインであることがほとんどである。その女性が巻の中で用いた印象的な言葉や、詠んだ和歌の中の言葉に由来することもあるが、一部例外もある。

その巻の中で描かれる印象的な恋愛場面に由来する言葉が多い。そうした場面では和歌が詠み交されることが多く、そこで詠まれた和歌を巻名歌と言う。その他、巻の中で描かれる出来事に由来するものもあるが、一部例外もある。

その巻に登場する女性の名前に由来するものが最も多い。その他、巻の中で用いられる印象的な言葉に由来するもの、巻の中で描かれる出来事に由来するもの、巻の中で詠まれている和歌の印象的な言葉に由来するものがある。

光源氏と義理の母である藤壺との間に生まれた不義の子。源氏の父である桐壺帝の子として育てられ、のちに天皇の位に即いた。

光源氏の妻の女三の宮と柏木の間に生まれた不義の子。源氏の子として育てられ、のちに源氏を超えるほどの色好みに成長した。

光源氏と義理の母である藤壺との間に生まれた不義の子。源氏の父である桐壺帝の子として育てられるが、源氏を超えるほどの色好みに成長した。

光源氏の妻の女三の宮と柏木の間に生まれた不義の子。源氏の子として育てられるが、のちに自分の出生の秘密を知って苦悩する。

都を中心に展開する光源氏の物語と並行して、次の世代である薫と匂宮が宇治を舞台に引き起こす恋愛物語の総称である。大君・中君・浮舟との満たされない恋の懊悩が描かれる。

光源氏の死後に、宇治で育てられて成人した薫・匂宮という対照的な貴公子たちの恋愛を描いた巻の総称である。大君・中君・浮舟という姉妹とのすれ違いを中心に描く。

光源氏の死後に、次の世代である薫と匂宮という対照的な貴公子の恋愛を描いた巻の総称である。宇治を舞台にして、大君・中君・浮舟との満たされない恋が描かれる。

都を中心に展開する光源氏の物語と並行して、都を離れた宇治で展開する、源氏の子の薫と宇治八宮の姫君、大君・中君・浮舟との悲劇的な恋の物語の総称である。

光源氏とは、「光り輝くような美しさの源」という意味の通称である。彼にも本名があるはずだが、あまりに魅力的で光り輝くような美貌のため、誰も本名を呼ばずに「光源氏」と呼んでいると作中に記されている。

光源氏の本名は、「源光（みなもとのひかる）」である。しかし、名前には呪術的な意味が込められているので、そのまま呼ぶのは危険であるという平安時代の考え方から、本名を転倒させて「光源氏」と呼ばれている。

光源氏の本名は、「源光（みなもとのひかる）」である。しかし、身分の高い人の本名は呼ばないという平安時代の考え方により、彼の本名は読者にしか明かされておらず、作中人物はすべて彼を官職名で呼んでいる。

光源氏とは、「光り輝くように美しい、源氏姓の君」という意味の通称である。身分の高い人の本名は呼ばないという平安時代の考え方により、主人公であるにも関わらず彼の本名は作中のどこにも記されていない。

作者の紫式部は、父親が学者であったため幼い頃から漢籍に親しみ、優れた才能を発揮した。二十歳を過ぎた頃に藤原宣孝と結婚し、娘の大弐三位をもうけるも、二年ほどで夫と死別した。『源氏物語』は夫と死別した頃に書き始められたと考えられる。

作者の紫式部は、学者藤原為時の娘として受領階級に生まれる。二十歳を過ぎた頃に結婚して娘の大弐三位をもうけたが、夫の奔放な女性関係と、他の妻妾との確執に苦しむ日々を送る。夫の死後、そうした自らの経験や心情をもとにして『源氏物語』を執筆した。

作者の紫式部は、学者藤原為時の娘として受領階級に生まれる。夫と死別した後に一条天皇の皇后定子のもとに出仕し、宮仕えを辞した後に、四十歳前後で没したと伝えられる。『源氏物語』以外の著作には、『紫式部日記』・『紫式部集』がある。

作者の紫式部は、父親が学者であったため幼い頃から漢籍に親しみ、優れた才能を発揮した。二十歳を過ぎた頃にかなり年上の藤原道長と結婚し、娘の大弐三位をもうけるが、わずか二年あまりで夫と死別する。夫と死別した後に一条天皇の中宮彰子のもとに出仕した。

「桐壺」巻で誕生した光源氏は幼くして母を亡くし、亡き母にそっくりな義母の藤壺に恋をする。「須磨」巻では都落ちを経験するが、「明石」巻で都に復帰し、「藤裏葉」巻でついに天皇の位に即いた。

父の妻であり、義理の母にあたる藤壺への許されない恋に悩む光源氏は、「若紫」巻でついに藤壺と密通し、子どもをもうけてしまう。この父桐壺帝への裏切りは、「若菜下」巻で生まれた息子の薫に、自らの妻の女三の宮を奪われるという形で源氏に返ってくる。

「桐壺」巻で誕生した光源氏は幼くして母を亡くし、その喪失感を埋めるために義母の藤壺を思慕するが、それも叶わぬ恋であるため、「帚木」巻では空蝉、「夕顔」巻では夕顔と奔放な恋愛に走った。しかし「明石」巻で都落ちせざるを得なくなったことで、その女性遍歴には終止符が打たれた。

父の妻であり、義理の母にあたる藤壺への許されない恋に悩む光源氏は、「若紫」巻でついに藤壺と密通し、子どもをもうけてしまう。この父への裏切りは、「若菜下」巻で、妻の女三の宮を柏木に奪われ、生まれた子を自分の子として育てなければならないという形で源氏に返ってくる。